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第010愛.これが地獄領域ネ③
冥界領域の所為で地獄と化した空間の中、現在アタイ達が対峙してるモノ。それは禍々しい4枚の邪翼を持つ、漆黒の巨鳥だったのネ。
邪翼から、紫とも群青とも似つかない禍々しい色のビロードを撒き散らし続けながラ。アタイは巨鳥をひと目見て、ムムムと唸ったヨ。
【ラクぱいせん、コイツこそここの地獄の主ヨ。冥界領域を広げた張本人で間違い無いネ】
【じゃあ、遠慮する必要無いわね……『ラッキーストライク』!】
すると突然、頭の中にアナウンスが響いて来たのヨ。ラク、アナウンスの仕様を機械音に変更してるみたいネ。
《味方溢幸》上昇補正、常時会心。
《敵方薄幸》下降補正、脆弱劣化。
闘い開始後すぐパフが自動発動、しかも“溢幸”と“薄幸”の同時効力付きネ。流石はラク、運に愛された女神フォルトゥナなだけあるヨ。
でも、何か大切な事を……見落としてる様な気がするのネ。
ラクがパフを掛けてくれた所で、アタイ達は黒い巨鳥に闘いを挑んだネ。2柱で螺旋を描く様に突っ込んデ。
アタイもラクも、動きがシンクロしてるのネ。まるで双子の様に、鏡を覗いてるかと錯覚する完璧なシンメトリーを描いテ。
そして、2柱によるシンクロは互いのアイコンタクトの域を超えて……攻撃にも及んだネ。
黒い巨鳥の目の前で、アタイは斜め右から。ラクは巨鳥の死角に入る斜め左から、同時攻撃を仕掛けたのヨ。
ガッガッガッガッ!
ガガガッ、ガガガッ!
【電緊縛 ……エレクバウンドッ!】
バリッ……バリバリッ!!!
【ヨシ、動きを止めたッ、今ネ!】
【えぇ、ヤツの“重心”は判明したわ! 急所突、アサルトタッ……】
グッ、グググ……パァンッ!!!
【なっ、自らバウンドを解いたの!?? えぇい、儘よっ……アサルトタッチ!】
良しっ、運良く巨鳥の重心に入ったヨ! 良いトコに入って、これで巨鳥だって一溜まりも無いハズ……って、アレレ!??
あの巨鳥、ぴんっぴんしてるネ……(汗)
【どんなニ攻撃をしてモ、無駄。吾に傷を負わす事、二度と敵わズ】
縦に裂けた嘴で、巨鳥は不気味に威嚇したヨ。今、フッって一笑に付されたネ。
何かが可怪しい……そう思い、降臨する前に頭の中に叩き込んだアタイの認識を今一度引っ張り出し直したネ。
その結果、答えとして導き出したワードが……まさか、寄りに依ッテ……
『ヴェンディダード』???
名前はアカ・マナフ、悪神なのネ。それと同時に、決してこの巨鳥を昇天する事が出来ない事実も判明したのヨ。
それは……何故だと思うネ?
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