第001愛.降臨する前の呟き①

1/1
前へ
/11ページ
次へ

第001愛.降臨する前の呟き①

 アタイはネコであル。名前はもう有る、テトと云うネ。  よりネコっぽさを追究した結果、カタコト喋りに行き着いたのヨ。さぁ今夜も「星の砂場」で、キラキラ光る金平糖(こんぺーとー)を探すネ!  ただ、アレがキラキラ光るのは遠くても視認出来る位分かるけド……何色に輝くかまでは、拾い上げ覗き込むまで分からないお楽しみなのヨ。  「星の砂場」……それは、そこに行けば誰もが世界一綺麗な星空を堪能出来る。そう公式認定されたステキな場所の事ネ。 ────────────────   星空保護区ゴールドティア ────────────────  確か、こう呼ばれてたハズ。でも残念ながら、この地球上で現存するのはマダ……たった3ヶ所しか無いのヨ。  1つ目はアフリカ大陸の南西部、約1300km程南北に広がり「世界最古の砂漠」とも云われるナミブ砂漠ネ。  まるで絵画と見間違えル……朝方、砂漠の鉄分が生み出す“奇跡の10分間”が有名なのヨ。  ナミブ砂漠の星空には、遮るものが何一つ無 いネ。完全な夜空が在ると云われてて、一切の光害の無い完全な暗闇が辺りを覆い尽くすヨ。  2つ目はニュージーランド屈指の景勝地、まるで絵の具をそのまま湖に流し込んだ様に色が美しいテカポ湖ネ。  澄んだ空気や晴れた日が多いこの場所は、暗くなると夜空に幾千の星々が浮かぶのヨ。  この光景を維持する為、なるべく公害を発生させない取り組みとして地域住民で街灯に傘を被せたりする活動を行ってるネ。  3つ目はヨーロッパでも3本の指に入る程の人気の避暑地、最高峰の美しさを誇るアイルランドのアイベラ半島ネ。  星空保護区ゴールドティアに認定されし3ヶ所で唯一、北半球に含まれるヨ。雄大な山々と森、壮麗な湖など手つかずの自然が特徴ネ。  アイベラ半島では何と、肉眼で4000個程の星を見る事が出来るネ。その理由は、住民の人達自らが空へと向かう光を制限しているカラ。  その為光源が殆ど無く、古代の人達が見ていたのと同じ星空を共有出来るヨ。  この3ヶ所の星空、眺めたら必ず人生観が変わるカラ。絶対にお薦めするネ。  地味て言われると癪だから、断っておくヨ。アタイは毛がレモンイエローのサーバルネコ、片眼だけ紅瞳ネ。とは役者が違うでショ。 フリっ、フリフリっ♪    ……テテーンっ!!!  あっ、これ気付いタ? 三角に巻いた、トレードマークのオレンジのスカーフなのネ。アタイの首元のお洒落なのヨ。  これを首に巻ク、深い理由。それはネ……
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加