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初孫であったひとみを祖父は可愛がってくれて、学費の面倒もみてくれたりした。大学生にもなると中々帰省もできず逢うことも少なくなったから、逢えた時は笑顔しか見たことがない気がする。祖母は甲状腺がんという難病で逝ったけれど、祖父の場合は、あんなことで亡くなってしまうなんて、という思いが今もどこかにある。死に際に逢えなかったことを、ひとみは悔いていた。遠方にいるからという言い訳はできるけれど、駆けつけることはできた筈なのだ。
取り返しのつかない事というのは、こういう場合を言うのだとひとみはその時、感じた。
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