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対物ライフルが火を噴く。爬虫類人の頭が弾け周囲を捲き込み斜面を転がり墜ちていく。
「まだかよ!」
「十四分経過」
「A―2起爆!!」
佐渡教授がスイッチを入れる。崖の中央の対人地雷が破裂した。崖をよじ登ってきていた食屍鬼と爬虫類人の群れが吹き飛ぶ。
「つぎC―5!」
辺りの光量が下がってきていた。天空の輝きが九割ほど陰ってきている。あと少しで皆既日食が……。
「まもなく〝蝕〟が来ます。仁さんは間に合うのか?」
佐渡教授の顔がこわばる。
「信じるしかないんだよ! 間に合わなきゃ俺たちは終わりだ!!」
大山は叫ぶと手榴弾を大きく振り被って崖下に投躑する。爆発音と共に斜面が崩れ崖をよじ登ってくる食屍鬼を圧し流す。
ドゴォ────ン!!
対岸の遺跡のレリーフが崩れ羽音を立て黒い靄が沸きだした。
「蝗か!?」
それは無数のバィアクキィーの群れ。次いで轟音を伴い破れ目から青黒い巨体と巨大な蝗の背に乗ったアバドンが地上に現れた。
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