紅き訪問者

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 学生たちが悲鳴をあげて逃げ惑う。 「Hurry up and get in the truck bed!」  デヴィットがジェスチャーで促す。山口大使が学生たちを誘導する。 「みんな早くトラックに乗るんだ!」 「This track is protected. Get on quickly!」  建物の残骸を乗り越え戦車が目前に現れる。砲筒がトラックに向けられ斜めに動く。デヴィットは運転席に乗り込むとエンジンをかけハンドルを掴みアクセルを踏んで一気にバックした。戦車の砲弾がつい先ほどまで停車していた場所に着弾し爆発する。 「Shit, to have even possessed such a thing! ?」  デヴィットは苦虫を噛み潰したような表情で吐き捨てた。
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