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横路地から主要道路に出るとすぐ脇を幌付きトラックが猛スピードですり抜ける。運転席の白人と視線があった気がした枷門 仁であった。トラックが来た方向を見ると戦車が数台、一定の間隔を開け砂塵を巻き上げやってくる。
「そりゃ、逃げるしかないな」
ゆっくりと真紅の異形、紅衣の王は戦車に向かって歩きだした。周囲の地面が熔け崩れていく。
「あれは…………あの力は?」
「緑だったり赤だったり、これで黄色になったらコントナンタラだな」
目の前で展開している出来事についていけない大山は軽口をたたくしかなかった。
佐渡教授が興奮して両の眼を大きく見開き表通りに飛び出しかける。
「教授! 死にたいのか!?」
大山は佐渡教授を羽交い締めして抑えた。
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