紅き訪問者

12/14
前へ
/104ページ
次へ
          ◈ 「フングルイイイイイ~ムグルナウゥゥゥゥ~…………」  地下神殿に邪神を讃える意味不明な祭文が重々しく響く。 「ラ……ラ……」  首長(カリフ)が巻物を解き広げながら詠唱を続ける。 「ウガナグル…………ルルイエェェェェェ~」  神殿建築の神像の影から段差の角のへこみから地下深くにさらに下に続く回廊から、なんとも言えぬ生臭い澱みが沸き上がり身体の奥底を凍てつかせるような闇の気配が満ちてくる。 「ヨグ=ソトース……フタグン」  神殿中央に設けられた祭壇の異形のミイラがもぞもぞと蠢く。  祭壇の周りで兵士たちが女たちを組強いて凌辱している。女たちの悲鳴と男たちの怒声が交錯し狂喜に満ちていく。  異形のミイラの股間に起立するモノが二本。周囲に満ちる乱交のもたらすフェロモンに反応したようだ。 「تقديم عرض」  小田嶋康平が上野翔子のシャツを引き裂く。 「いや、いやぁー!」 「首長(カリフ)が御望みだ。アレの相手がお前の仕事だ」  スカートを剥ぎ下着を取り去ると右腕を捻りあげ上野翔子を祭壇まで押し上げる。  異形のミイラの腕が動き女の腰を掴む。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加