11人が本棚に入れています
本棚に追加
◈
街から北北東に三キロ、湾岸戦争で破壊された農業用貯水ダムの干上がった底の遺跡から爬虫類人と食屍鬼の群れがぞろぞろと這いだしてくる。
ロックフィル式の積み上げられた遮水壁が戦争の爆撃で破壊され、川は本来の流れを取り戻しつつあり、爬虫類人と食屍鬼は獲物を求め川沿いに街を目指して侵攻を開始した。
「シャッ、シャァァァァァァー」
「グゥゥゥゥゥゥゥルルゥゥゥゥルルゥゥ」
ランドクルーザーとトランザルプが到着しダム湖の本来の湖岸の崖からその様を傍観している。
遺跡の入口から無限ともいえる数が湧いてくるのを見て枷門 仁は思案していた。
「対物ライフルで援護しますよ」
「狙撃すると位置がばれて奴等がくるぞ?」
「対人地雷を崖の斜面に設置してから、そちらの御二人に手榴弾のレクチャーします。突撃どうぞ」
デヴィットの申し出に苦笑いする仁。
「わかったよ。準備頼む」
最初のコメントを投稿しよう!