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「首長、私は……私だけは……助けていただけるのでしょうか」
紫色の僧衣を纏った首長の背後に隠れていた小田嶋康平がおずおずと声をかける。動揺しているためアラビア語ではなく日本語でである。気づきあわててアラビア語で問い直す。
「الأمر متروك لإرادة الرب. ليس لدي سلطة.」
「そっ、そんな……」
自己保身のみしか頭にない男は見苦しくも首長の足元に膝まずき僧衣を掴みすがりつく。
「あの女でどうか私の命だけは……」
「لديك استخدامات」
「ありがとうございます」
小田嶋康平は首長を見上げ驚きに目を大きく開く。そこには人ではない蛇の顔をもち鱗に被われた身体の爬虫類人の司祭がいた。
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