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「そろそろ終わりにしようかね」
アバドンは光の剣となった雷公鞭を振り下ろす。
『ゲゲゲゲゲゲゲゲ…………!!』
剣が突きたたない。
『イツマデモツウジルトオモッタカ?』
アジ・ダカーハが三つの口を大きく開き何かを吐きだそうと身構える。背中の三重にならんだ背鰭のような突起の列が激しく赫く輝きはじめる。口腔内に紫色の炎が溢れてきた。炎の吐息・ドラゴンブレスがアバドンに放たれた。
「縛邪符咒 黑面雷公,黑殺天兵。四直驅斗,陽神步罡。北斗將軍,衛我身形。布炁長存,閃電驅兵。三千六百,五行尊神。頭分日月,照破星營。諸天神祇,為吾攝來附身。急急如律令!!」
地の砂漠から天を覆う雷雲から無数の雷がアジ・ダカーハを捕らえ野獣を拘束する鎖のように締めつけていく。
紫色の炎球は掌をかざしたアバドンの目前で停止していた。
「塵から生まれし者は塵に闇から生まれし者は闇に還れ……」
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