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それから数日後の昼休み、大河が社外に出ようとした時だ。
大河の少し前を歩く、陸斗と新井の姿を見つけた。二人はランチに連れ立ってるようだ。
——部署も違うのに二人で行くのかよ!
先日の噂話のせいもあり、自分でも抑えきれないくらいの嫉妬心が湧いてくる。
大河はさりげなく二人を追跡する。
少し歩いていったところで、新井は陸斗の肩に腕を回し上機嫌だ。まぁ、肩を組む行為くらいは友達でもやる。許してやるかと大河は上から目線。
だが、次に新井は組んでいた腕を下に下ろし、陸斗の背中を撫で、さらにその下、陸斗の尻まで触っている。
陸斗はすぐに新井の手をふり払ったが、その後も二人は仲良さそうに話している。
なんだ今のは。
絶対におかしいだろ。
なんで陸斗はあんな奴に笑顔を向けるんだよ! さっきのは完全にセクハラだ!
でも陸斗が新井のことを好きだったとしたら……?
同僚の噂話が本当だったとしたら……?
嘘だろ。信じたくない。陸斗が大河のもとから離れていくなんて——。
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