第三章・ー真なる実力ー

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「そこの二人、いつまでそうしているつもりだ? 今時四大霊鬼等、そう珍しくもあるまい? 大して驚く事でもないわ」 「いや……。普通に驚く事やろ」 「四大霊鬼って、本当はこんな気軽に話せる存在でもないですしね」  再び二人からの突っ込みが入る。 「つーか、もう説教は止めてくれ二人共。四大霊鬼等、立場とか地位とか何とか。んな面倒臭い事は丸めてそこら辺にでも捨てて置けば良いだろうがよ。私はそういうのが何より嫌いなのを、フィー坊も知っているだろうが」 「知ってても、お互いの中に在る意識の差は、どないしたかて埋められんでしょ」 「……確かに、俺もそう思うな」 「ヴェルセルク君も同意見だそうですよ」  オフィーリアが苦虫を噛み潰したような表情で言うのに、先刻までの真剣なやり取りも忘れた様子のラキが、半ば呆れながら追撃する。  それに、苦笑しながらシェイカーが乗った。  度重なる失言で、遂に三対一の構図になったところで、完全に不利になったと理解したディニテが、ゆっくりと後退る。 「貴様等ズルいぞ! 寄って集って老体に鞭打つ所業! 悪魔か貴様等は!」 「いや。ただの“昏きもの”ですけど」 「……四大霊鬼の威厳がまるでねぇな」 「さすがに陰契課の拾得物の箱にも入ってなかったよね、四大霊鬼の威厳」  これにはさすがのディニテも反論しかねるのか、段々と三人にからかわれている事を理解してきて、とうとう壁際にまで追い詰められて、物理的にも超絶不利な立場に追い込まれてしまった。
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