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「ま、まぁ。とにかくそういう事やさかい。ヴェルセルクも、あんま気負いなや」
「てめえに言われなくてもな」
今回の事でラキも精神的に少し成長してくれたようで、それを理解したオフィーリアが内心で、元がつくとはいえ、四大霊鬼を相手に命を張った甲斐があったかと、ほっと胸を撫で下ろす。
「ところでオフィーリア、今日は、肝心な定期健診の日なんだけど。どうするの?」
そこで初めて、シェイカーが本来の目的を思い出したのか、急に医者としての顔を垣間見せると、オフィーリアに問いかけた。
「……あ。せやったな。定期健診が目的やったわ」
「あれだけ動いて、傷口とか開かねぇのかよ?」
「何や、ヴェルセルク。俺の心配してくれとるん? おおきにな」
にっこり笑ったオフィーリアが言うと、途端に顔を真っ赤にしたラキが、肩に手を置こうとするのを振り払う。
「べ、別に! 誰もてめえの事なんざ心配してねぇ! た、ただちょっと、俺が倒す前にいなくなられたら困るからだけだ!」
言っているのを見た全員が、ツンデレなラキを前にしてにやにやしだす。
まぁ本心では心配しているのだろうに、本当に素直ではないと、オフィーリアもシェイカーと、苦笑しながら肩をすくめた。
「さて。それじゃあ行こうか、オフィーリア?」
「せやな」
「いってらっしゃーい」
二人して医務室へと向かうその背中に、エルファリスがぶんぶんと手を振りながら、満面の笑みを見せながら見送ったのだった。
ーto be continued……ー
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