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「隣近所から通報があった。時々窓から子どもが顔を出している。ついこの間までひとり暮らしだったのにおかしい。子どもの母親らしき人も見たことがない、ってな。それでお前が仕事に出掛けたのを確認して大家に鍵を開けてもらったんだ」
「せっかくキキが笑えるようになったのに。これからもっとたくさんの事を教えてあげようと思っていたのに」
「たくさんの事だ? 何を教えるつもりだったんだ?」
刑事は汚らわしいものを見るような目で貴博を見た。
「お前には前歴があったよな」
ヨナの事か……。貴博は1人の少女の顔を思い浮かべた。
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