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「これは私にしかできない事だと自負しています。だから今回あなたの弁護をしつつ、キキちゃんも救おうと思っています」  まだ若いのに自信に満ちた目で村澤はそう言った。 「でも……キキは素直に答えてくれるでしょうか?」 「任せてください。私は専門家ですから」  頭の良いヤツは羨ましいと思った。自分にもそんな能力があったらこんな所にいなくても済んだのに。キキを救ってやれたのに。貴博は自分が情けなかった。 「貴博さん、あなたのやった事は間違ってはいません。むしろ誰よりも人間的です。ただ方法が良くなかった。簡単に手っ取り早く出来る方法は誤解を生みます。感情だけで動いては失敗します」 「……じゃあどうすれば良かったんですか? 俺には他に考えが浮かばなかった」 「考える時間ができましたね。暫く考えてみてください。あなたにしかできない方法を」  キキの親は慰謝料目的で裁判を起こした。裁判が終わるまで貴博は留置場に閉じ込められるので考える時間は十分にある。 「俺にしかできない方法……」 「痛みを知っているあなただからこそできる方法があるはずです。ここから出たらすぐに行動できるようにしっかり考えておいてください。でもそんなに時間は無いかもしれませんよ。だって私は優秀ですから」  村澤はそう言って笑った。
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