1人が本棚に入れています
本棚に追加
20分ほど歩いて県道前の2階に設置されているファミレスの前で待つ。どう断ろうか悩んでいると、約束の時間より5分早く例の白のFRがターボを響かせながらファミレスの駐車場へと入ってきた。そして助手席から出てくるのは昨日のヤンキー。
「よお!約束通り来たみてえだな。早く乗りな、兄貴の運転はすげぇぜ。」
「迎えに来てくれて申し訳ないけど、私断るために来たの。だから「まあまあそうずべこべ言わずに、乗れよ。」はあ?」
強引に腕を取られ、お兄さんの運転するFRの後部座席に無理やり乗せられた。ちょっと強引すぎない!?運転席に乗っているお兄さんにとりあえず挨拶をする。
「わざわざすみません、、。よろしくお願いします。」
「いや、いいんだ気にしないで。俺も楽しみだから。」
楽しみ、、??どういうことか訳がわからないが、適当に返事をし車は動き出した。
助手席に座るヤンキーは、窓を開けてうっとりと外の景色を楽しんでいた。
そうしていると、車はとある大きな豪邸のような建物の中を入っていった。
「え、ちょっとまってください、え?ここ、もしかして。」
「我が家へようこそ。とりあえず玄関の前に2人とも降ろすから、啓介先に中へ案内しててくれ。俺は車を中に止めて来る。」
「今日はもう走りにいかねーのか?兄貴。」
「今日はお前とこの子の初めての運転教習だろ?俺が監督してやるから準備しておいてくれ。」
「うおっ!まじでか!兄貴が監督してくれるなら心強いぜ!」
「よろしくお願いします。」
ぽへーと家の規模の違いに目を見開いたまま、車は玄関で止まり私とヤンキーを降ろした。
ヤンキーが、扉を開けるとこれまたツヤツヤと効果音が出そうなくらい綺麗なモデルルームのような世界が広がってた。
最初のコメントを投稿しよう!