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ツカサがペインターパンツのパッチポケットからボイスレコーダーを取り出す。
再生ボタンを押すと、この部屋に入ってから今までのやりとりが再生された。
「『あとでゆっくり』してくれるんだよな?」
上機嫌のツカサが跳ね上がって、俺の首に腕を回す。
「うん、わかった。そこまで執念見せるなら、うん」
感情が冷めて、それ以上抵抗する気にはなれなかった。
「引かないでくれよ、焦らし続けた祐護さんが悪いんだからな!」
俺を責めつつも、ツカサはどこか楽しそうだ。
俺の首を解放したかと思うと、ボイスレコーダーをパッチポケットにしまって、ティーセットやオイルランプをトレイに乗せはじめた。
「ボイレコなんていつ渡したっけ……」
「忘れるまで待った。奥の手ってやつ」
「ああ、うん、勝利の前ではそういうの言わないでくれよ」
軽い足取りで外に向かうツカサを見送る。
俺は外に出したテーブルとセットの椅子を取りに、書斎と反対側の廊下へ向かった。
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