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ティータイムに角砂糖
自己紹介や簡単な事情の説明をできるほどに落ち着いた少年をダイニングキッチンに招いた。
少年―――美鄕勝利は両親の喧嘩が怖くて家を出た瞬間、ここに迷い込んだらしい。
「祐護さん!今日は桃の香りの紅茶だよ!」
木製の丸いダイニングテーブルにティーポットと三人分のティーカップを運んで、ツカサが俺に笑いかける。
「今更だけど……勝利は紅茶、好きかな?」
「甘いのが、いい、です……」
ツカサが「了解」とつぶやいて勝利の紅茶に角砂糖を突っ込んでいく。
一個、二個、三個、四個……七個。
「限度があるでしょ、限度が」
「子供なんてこのくらいしないと飲もうとしないだろ」
困り顔の勝利が、砂糖まみれの紅茶にゆっくりと口をつける。
「凄くおいしいです!」
満面の笑みを見て、俺はほんの少し勝利の将来が心配になった。
「まぁ、年齢上がれば砂糖の量も減る、か……?」
「祐護さんは砂糖一個、と」
「そこは普通なんだ」
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