ティータイムに角砂糖

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 勝利がクスクスと小さく笑う。 「……仲が良くてうらやましいです」 「普通だよ、毎日顔をつきあわせてるからね」  仲が良いという言葉への喜びを隠して、当たり前という顔をする。 「パパとママは普通じゃないのかな。最近はずっと喧嘩してるし……」 「……どんなことで?」  勝利がこわばった表情で震える唇を開く。 「えっと……その……ごめん、なさい……」  勝利の目にみるみる涙がたまっていく。  俺はツカサに目配せすると席を立った。  震える勝利を抱え上げて、玄関を目指す。 「ちょっと、祐護さん!……もう!」  怒っているようなあきれているような声が聞こえたが、ツカサはきっと応えてくれると俺は確信していた。
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