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朝の失態を引き摺りながらどうにか六限の授業を終えて補修授業をやっているゆみちゃんと別れて帰り道。
もう男子高校生も忙しくてへんなことが起きたなぐらいにしか思ってないだろう。晩御飯が何か気になるなと、そう思って歩いていた時だった。
今朝の角にその男子校生がいた。慌てて逃げようと背を向ける。
「ごめん、君は僕にぶつかってしまって、それで転けそうになって抱きついてきたんだよね」
いや違う。初めから角から出てきた人には抱きつく目的で出たんだ。
「その、大丈夫?怪我とかしてない」
わざわざそれを言うためにその角に立っていたのか。後ろを振り向き、男子高校生を見る。
「私は大丈夫です。あなたは私が抱きついてどこか痛めたりとかは?」
「いや毎日鍛えているので大丈夫です」
そう言って力こぶを作って見せた男子高校生に笑ってしまった。
それから私たちはよくぶつかった角で会うようになり話すようになって今、結婚しようかとなっている。
馴れ初めをどう説明するかと言えば
私が角から飛び出して彼に抱きついた。
それに尽きる。
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