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その分、入学式には大島自身がどんな無茶をしてでも休ませてやると決めている。
たとえば「絶対に、何があっても」一人でも休んだら回らない仕事があるとすれば、それは課員ではなく管理する方の不手際に過ぎない。
しかも有給休暇は理由など問わない従業員の権利だ。
実際、会社側が休暇取得日を変更できる「時季変更権」を行使するような『特段の事情』がある状態ではないのだから。
「小学校の入学式は一生に一回しかないんだぞ!」
職場の現状を知る本人が遠慮するのに、昔の恥を打ち明けてまで納得させた。
そう、一回きりだ。
確かに、入学式自体はその後もある。中学校も高校も。しかし、生まれて初めての『入学式』はやはり子どもにとっては重みが違った。
それを、大島は身をもって知っている。
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