思い出はバニラ味

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「嬢ちゃん、どうしたんだい?」 古き良きお団子ヘアー、黄土色のちゃんちゃんこを来たお婆さんが買い物カゴを押して私に問う。 「バーゲンダックを買いに来たんだけど、売り切れちゃったみたいだ…」 「あら、そうなのかい」 お婆さんは食品が山のように積まれた買い物カゴをガサゴソとかき分けた。 「これ、嬢ちゃんにあげるよ」 少し震えていたお婆さんはバーゲンダックを私に差し出した。 「いいの?!」 「ああ…もちろんだとも、まだ冷蔵庫にあるのを思い出してね…それに私は甘いものが好きじゃあないんだ」 「ありがとう!!お婆さん!!」
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