思い出はバニラ味

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「渡したいんだけどねぇ」 「大丈夫、きっと今夜は渡せるから」 私はお婆さんの額を人差し指で軽く押した。 ーーーー 「あら…もうこんな時間、いつの間にこんな所で横になってたんだろうか」 時計の針は2時を指していた。空が真っ暗だからたぶん夜中だろう。 居間には明かりが照らされていた。誰かが電気をつけてくれた、もしくは自分がつけっぱなしだったのだろうか。 ぼやけた視界を手で擦ると、孫がそこにいた。
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