1/3
前へ
/11ページ
次へ

 「……、以上の物を頼めるかな?」 電話越しに老人のしわがれ声が漂う。 神経を末端から蝕む低音は、何度耳にしてもどことなく気味が悪い。 「はいよ」 私は二つ返事で応答した。 宅配業者であるならば、注文の品を黙って顧客のもとへ届けるまでだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加