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電話が切れてすぐ、私は陳列棚を順番に漁った。
「ゲホッ、ゲホゲホッ……」
しばらく掃除をしていなかったっけ。
滅多に注文の来ない場所は満遍なく埃が積もって仕方がない。
頼まれた品々を機敏に岡持ちへ詰め込むと、
気付いたときには、いかにもはち切れんばかりの量に膨れ上がっていた。
時刻は午後10時。今日はこの依頼で店じまいにしよう。あと一仕事だ。
ずしっとした鉄の重さを右手に感じながら、私は暗闇へ飛び込んだ。
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