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サービス内容
私は最寄り駅に言って、『レンタル人間』で借りる人を探している。
今日は例の約束の日で、これから私のお兄ちゃんになる人がどこかにいる。
うーん、どこにいるのかな。
結構、探したはずなのにどこにも居ない。
トンッ
「すみません、遠藤さんですか? 『レンタル人間』のサービスの者です」
肩に手が置かれる。
振り返ると、レンタルサービスの人だと名乗る男の人が後ろに立っていた。
「うっわ……!」
私はその人を見て驚いてしまった。
なぜなら、これからお兄ちゃんになる人の顔がイケメンすぎたからだ。
濡れたような黒髪にスラリとした高身長。
何より、顔がすごく整っていた。
「えーっと……、そんなに見られると恥ずかしいな」
そう言って、男の人はそっと、私から視線をそらす。
「あっ、ごめんなさい。私が遠藤です、遠藤麗って言います」
「よろしくね、それじゃあ僕はこれから遠藤勇樹だね。僕の名前は勇樹」
「よ、よろしくおねがいします」
「そんな、よそよそしくしないでよ。僕達、これから家族なんだよ? 僕も麗って呼びたいからさ。勇樹って呼んでもらえると嬉しいな」
そう言うと、勇樹は軽く微笑んだ。
そ、そうだよね。
今は他人かもしれないけど、これからは家族なんだもん。
敬語とか使ってたらダメだよね?
「うん、わかり……わかった。これからよろしくね、勇樹お兄ちゃん」
そう言うと、私は笑顔で返事をした。
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