718人が本棚に入れています
本棚に追加
一緒に寝よう
「お兄様?リオンです。」
湯上がりのリュードお兄様がシルキーなバスローブを身に纏って振り返る。水も滴る良い男とは正にこの事じゃないかな?
「リオン待ってたよ。ちょっと待たせてしまったかい?」
学院から屋敷に帰宅する時には、僕と添い寝をしてくれる優しいお兄様。添い寝する様になったのはいつからだったかな?
記憶喪失事件の後、何だか夢見が悪くなってしまった僕。現実と夢の境目があやふやになる感じがとても怖くて、お兄様にその事を相談したら一緒に眠ってくれる様になったんだ。
学院へ入学するまでの間、一緒に眠ってくれたおかげですっかり夢見は良くなった。お兄様に添い寝してもらうのは気持ちが良くて、必要がなくなった今もこうして甘えてるってワケ。
でもお兄様もそろそろ閨のお勉強ってのがあるみたいだから、それまでですよなんて、侍従のセブには言われてるんだ。僕には閨のことは何の事なのかわからないけれど、ハッキリ聞いちゃいけない感じはするから有耶無耶になってる。
お兄様は知ってるのかなぁ。聞いたら教えてくれるのかしらん?
いつもの様に爽やかな香りのするお兄様のベッドに潜り込むと、お兄様がクスクスと笑いながら隣に滑り込んで来た。
「リオン、最近はどんなお勉強しているの?」
お兄様とベッドでコソコソとこんな感じで色々な話をするのが僕は大好き。お兄様の爽やかな香りに包まれて身も心も蕩けていく感じがするんだ。
「…そうだ。僕お兄様に聞きたいことがあるんです。セブにお兄様はもうすぐ閨のお勉強するから、そうしたら一緒に眠ることはダメだって言われてて…。
やっぱりダメなんでしょうか?…閨のお勉強ってどんなお勉強なんですか?」
ちょっと悲しい気持ちと、聞いちゃいけないことを聞いてる様な気恥ずかしさで、お兄様のお顔を見ることが出来なかった。僕は、お兄様の胸元に頬を寄せて俯いていた。
お兄様は急に身じろぎして、柔らかく僕を抱きしめていてくれた腕もちょっと強ばったようだった。やっぱり聞いちゃいけなかったのかな?と気持ちが疼いていた僕の髪にお兄様はゆっくりため息?をついたみたいだ。
「お兄様!ごめんなさい…やっぱりこんな事聞いたらいけない…。」
見上げたお兄様の顔はいつもより目元が赤らんで艶っぽくって、僕は急にドキドキしてきてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!