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絶対に認めない。これは一時的な感情で、あともう2週間あれば時期に消える。いや、もっと早く消したい。俺こそ残りの大学生生活を謳歌しなければいけないんだ。今までは沖田に邪魔されて何も出来なかったんだ。
絶好のチャンス、楽しまなくては!
「ふくちょー。聞いてる?」
「あ、悪い。聞いてなかった」
永倉に肩を叩かれて、声をかけられていることにやっと気づいた。いつの間にか参加していた講義も終わっている。全然気が付かなかった。
「ずっとぼーっとしてるけどさぁ、沖田ちゃんと会って無いから寂しいんじゃないの?」
「まさか。彼奴がいなくてせいせいしてるんだよ。もう会わなくていいならそれに越したことはないからな」
モヤ。
胸の真ん中あたりがモヤっとした。なんだそれ。慣れろ。それに自分でも引く程、やけに早口になってしまって、永倉だって俺の言葉を疑ってる。22年も近くにいたんだ、人間でなくても多少の寂しさはある。感情のある人間なら普通の心情だ。落ち着け。
「ならゼミの飲み行ってみる? 気晴らしにさ」
「飲み会……か」
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