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「そう! 副長来たことなかったし、いいんじゃない? 沖田ちゃんも忙しいみたいだしさ」
永倉のウィンクに大学生味を感じる。しかも飲み会か、いいかもしれない。酒を飲んでオールして朝帰りとか大学生ぽくないか? 大学4年生にして大学生デビューなんて遅すぎるかもしれないが、ここは感情に従う事にしよう。
そう決めたらウキウキしてきた。こうしちゃいられないと、勢いよく席を立つ。
「副長?」
「行くぞ、飲み会!」
沖田に邪魔されてきた大学生活、今晩から取り戻してやる!
――その晩、永倉に案内された飲み屋でゼミの仲間と落ち合った。
普段は顔を見せないので、大変珍しがられてチヤホヤされる。学校でも必要なこと以外は話す事が少ないから、質問がやたら飛んで来た。
うーん、悪い気分じゃないな。まるで誕生日の主役だ。永倉のやつ、こんなに居心地のいい空間を知っていたとは。やはり俺は4年間損をしていたらしい。
「副長は何飲む?」
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