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「はぁ!? なんでぇ!?」
「いやいや、逆になんで怒らないと思ってんの?」
最後に会った日の記憶をうっすら思い起こすと、確かそんなことを言った気がした。けれど、それが沖田と会わない原因になったとは思えない。別に付き合っている訳じゃないし。
土方と沖田がたまたま隣に住んでいて、たまたま同じ時に生まれたから幼馴染になって、苗字が原因でセット扱いされて来ただけ。特別な関係じゃない。周りにそう見られていたから、期待に沿うようにそうしてきただけだ。
俺はそれをそのまま伝えると、今度は一斉にため息をつかれた。
「よく言うよねー、俺にしか扱えないとか言って周りに男が寄り付かないようにしたり」
「食堂に行ったら沖田ちゃんの事一生懸命探して」
「飲みに誘ったら沖田が待ってるからパスとか言うし」
「長期休みも沖田ちゃんちと旅行に行くって小学生みたいにウキウキしてさ」
ゼミメンバーから次々と俺の日常が吐き出されていく。
そんなこという訳が無いと否定したいが、俺が言ったと言う台詞には心当たりがある。
「俺って、そんなに沖田沖田言ってるのか……?」
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