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なんでだよ。なんでなんだよ。あのクソ女の声がする。此処は大学なんだから、学生でないクソニートの沖田はこの大学という選ばれし者しか入れぬ聖域に足を踏み入れられる筈ないんだ。
彼奴にはルールが存在しない。横暴でガサツ、自己中心的で口も悪けりゃ態度もデカい。
声の方を見ると、学食の会計所で俺の方を見て大きく手を振っている。
寝癖をつけたまま結った髪の付いた頭の中は空っぽのクセに、やたらデカイ胸をバインバイン揺らし、下着の見えそうなデニムのショートパンツから太もも生足で出して、それにロングブーツを履いてやがる。
それを他の男子学生が見てるとも知らずに、沖田ってヤツは……! あーイライラする! あの馬鹿!
「あやや、副長怒っちゃったじゃん」
隣に座っていた同級生の一言でさらに苛立ちが増す。両手を握りしめて沖田に向かっていくと、奴は手の届く距離に入った瞬間おでこにデコピンを食らわせてくる。
ツンとした痛みに片手でおでこを抑えた。
「遅い! アタシが呼んでんだからさっさと来いっつーの! ほら、唐揚げ定食の金だせよ」
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