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それでクビ。なんというか、沖田ばっかりが悪い訳ではなかったのか。
喧嘩は褒められたものではないが、彼奴なりの抵抗だった。話も聞かずに決めつけていたのはよくなかったな。さすがの沖田も怒り、会ってもくれなくなるわな、と1人反省会が止まらない。
と、同時に理由がわかって良かったと安堵する。
「だから土方くん、沖田ちゃんはそっとしておいてあげた方がいいと思うの。刀鍛冶職人になるために県外へ行くってなったら、土方くん面倒みれないでしょう? 土方くんを好きな女の子は他にいるんだし、これを機に沖田ちゃん離れしようよ」
親離れ子離れみたいな事を。芹沢さんの言う通り、沖田が県外に行くとなれば俺も目を掛けられなくなる。
折角県内で条件に合う内定を貰ったのに、切り捨てるわけにもいかない。
ここは細かく迷わずに、俺の行きたい方へすっぱり決めてしまった方が良い。
「沖田が県外に行くなら俺も行く」
「えぇ、副長マジ? 内定はどうすんだよ」
皆驚いたので、逆にこっちも驚かされる。ごまんとある仕事と人間1人を比べるまでもない。
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