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「沖田に冷たくしていた事を謝ろうと思って……」
「あっそ。冷たくされたなんて思ってないから。ていうか、アンタ彼女が居るのに他の女の家に入って来ていいの? 芹沢に泣かれるからやめてくんない? 面倒臭」
「なんで芹沢さんが泣くんだよ」
「ウッザ、アンタの彼女なんでしょ? この間、アンタに結婚しないって言われた後にそう言われたの。土方と付き合ってるからこれ以上付き纏うのはやめろってね」
「なんだそれ!」
事実無根だ。芹沢さんが沖田にそんな事を言っていたのか。だとしたら会わなくなる筈だ。
沖田の顔は呆れているのか、表情がない。
「お前、それを鵜呑みにしたのか?」
「あんな美人に言われたらするんじゃないの? ウザいから帰ってくんない?」
芹沢さんにそう言われたから、それを信じて沖田は気を遣って会わなくなった。
あのクソ女、妄想が過ぎるぞ。勝手に好きになって、勝手に妄想を現実にしようとして、沖田にこんな顔をさせて――。
いや、元々は俺が悪い。沖田に素直にならなかったから、こんな顔もさせたし、機嫌も悪くさせてしまった。
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