2怒目 沖田中心の就職活動

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 ここは落ち着いて進路について語らいたいので、コーヒーを一杯奢ってやることにした。       自販機で缶コーヒーを2本買い、1本を永倉に差し出すと彼は「サンキュ」と軽く手を合わせる。 「じゃあなんで気にするのさ。そら将来的には必要だけどさ、今すぐはいらなくない?」 「いいや、困る。俺は沖田を養わなきゃいけないんだぞ? ただでさえ一年目で給料も最低限しか貰えない状況で養えるとは思わんからな」 「そっか……いやいや。はい?」  永倉は一度納得したのにも関わらず、再び険しい顔をする。自分の中で考えを整理しているのか、空中に色々書いたりした後に、「えっと」と遠慮がちに話し始める。 「やっぱり沖田ちゃんと結婚するの?」 「だ、か、ら! しないって言ってるだろう! 彼奴とは絶対にしない! 何があっても絶対にな! 結婚しないと地球が滅びると言われてもしない! 絶対にしない!」  コイツは何にもわかっていない。俺は沖田を任されているのであって、決して生涯を共にするつもりはない。あくまで扶養。配偶者としてではない扶養。
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