5/5

144人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
「あっ……!」  窄みを押し入り、ずぶりと肉壁を進む確かな感覚。  狭いのに柔らかくて、全方位包み込まれている。 「待って、開さんっ……!」   開が腰を深く落とすと、より締め付けられて血液がそこだけを巡る。全ての感覚が一点に集中する悦楽に、涼介は一気に射精感を促される。開のものを擦っていた手はいつの間にか止まっていた。 「ん、ぁっ……!」  開の腰につかまって耐えようとしたけれど、自分ではどうにもならなくて、涼介は開の中でぶちまけてしまった。 「……たくさん、出たね」  開は優しく微笑むと、涼介の眉根や鼻にキスをした。  涼介の息が次第に落ち着いてきたのを見計らって身体を浮かし、繋がりをほどく。  開の後孔からジェルの残りと白濁が流れ出てシーツを濡らした。だが、開の昂ぶりはまだ収まっていない。 「開さんの……」  当たり前だ。挿入してからたった数分しか経っていない。涼介はまた自分だけ、それもあっけなく達してしまったのだ。 「うん? ……ああ、僕は大丈夫だよ。涼くんを受け止められたことが凄く嬉しいから、大満足だよ。涼くん、二十歳おめでとう。プレゼントになったかな」  涼介の頬を片手で包み、ちゅ、と唇を落としてベッドから降りる開。   「先に寝ててね。後処理してくるから」  微笑む表情は大人の男そのもので、涼介は何度も何度も開のまばゆさに惚れ直してしまう。  が。  今回ばかりはハイワカリマシタ、と素直に頷くわけには行かない。  準備から挿入まで全て開に導かれて(あっと言う間に)終わった。  受け身側で覚悟を決めたつもりが挿入する側になったのに(あっという間に)自分だけが達した。  ──これは抱いたと言うより抱かれたと言うのでは……。 「開さん!」  涼介はベッドから立ち上がろうとする開の腕を掴み、引き止めた。  このままでは「はんぶんこ」になっていない。気持ちいいことだって、はんぶんこにしたいのに。 「今度は俺がします」 「え」  若い涼介の身体は早くも二度の射精の疲労感から脱している。  涼介は聞き返そうとした開の唇を塞ぎ、手を胸の先へ滑らせた────
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

144人が本棚に入れています
本棚に追加