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 自分の魅力って。  確かレオもそんなの言ってたっけ。本條のとこの叔母さんも。 「じゃあ、あの朝、俺のこと本当に襲ったと思った?」 「ふふふ。焦ったよ。だって、ジュリアと約束していたんだ。会社が軌道に乗るまでと、ミアが僕たちの関係が理解できるようになるまでは今の形を壊さないようにしよう、カミングアウトも恋もしないでおこう、って。  でも、そんな約束をしなくても、僕たちは互いが大事で、ミアを愛しているから心配する必要はないね、なんて言ってたのに」  また、言い終わりにキスをしてくれる。啄むようなキスはとても甘い。 「ジュリアとの約束を破って男の子に手を出しちゃった! って思ったけど、あの再会は、運命でしかないよ。ああ、でもそうだ……実はジュリアには、君に初めて会ったその日に出来事を話しているんだよ。まさか次に再会があるとも、君とどうこうなれるとも思っていなかったからこそ、全部素直に打ち明けて……だから、あの日も今夜も、僕の駄目さを心配したジュリアが神様と一緒に出会いを仕組んだのかもしれないね」 「ジュリアは俺たちを認めてくれたのかな……ミアは……ミアはジェイを愛している俺がここに戻ることを許してくれるかな……?」  マミィの変わりは要らない、ダディを奪う人は嫌、と言っていたんだ。俺が居なくなって寂しがってくれたとは聞いたけど、こんな形で戻ってくるとは思っていないだろう。  ジェイと思いが通じていることは嬉しいけど、ミアに嫌な思いをさせたくない。  なのに俺、さっきは感情のままにジェイを求めたりして……最低だ。 「二人でゆっくりと伝えて行こう? ミアならわかってくれるさ。ミアはヒューが大好きだと言ってるし、僕もヒューが大好きなんだよ、と伝えているから」 「うん……」  ジェイが俺を抱きしめるだけで本当に大丈夫な気がしてくる。  ──俺は一人じゃないんだ。一人で頑張らなくていい。ジェイが一緒にいてくれるから……。 「ヒュー。ジュリアとの約束、一つはクリアした。まだまだこれからだけど、会社はジュリア亡きあとも能力のある仲間たちに恵まれて成長していく。だから、ミアが理解してくれたら僕たち……」  僕たち、正式に付き合おう?   頭に予想の言葉を浮かべる。  ジェイが少し体を離し、顔と顔が向き合うようにしてくれた。 「僕たち、家族になろう!」 「……!」  体中の血管が湧き立つ気がした。  初めて本気で恋した人が、俺が最も欲しかったものも与えてくれる。  胸が慟哭を打つ。  指が震える。  涙があふれる。  ねぇ、神様。俺は生まれて初めてあなたの存在を信じたくなったよ。  お願いだ。どうかこの願いを叶えて下さい。  ジェイはそんな俺の心の中を読むように微笑んだ。 「大丈夫。必ず叶うさ。だから今夜は……家族じゃなくて恋人でいてくれる?」  唇が近づく。  俺は再びジェイの首に両腕を回し、自ら唇を重ねた。
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