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ジェイを揶揄う余裕が一瞬で消えた。
ジェイの指が俺の中に入り、緩慢に内壁をこすっている。
太いわけではないのに存在感のある指は、俺のイイところをすぐに見つけた。
「んっ、あぁ、ん、ジェイ、そこ、凄く感じるっ……!」
「感じてるヒューは本当に色っぽいね。もっと感じてごらん。僕がどんなに君を愛してるか、もっともっと感じて」
後孔に通り道を作りながら、いっこうに収まらない昂りもこすってくれる。
ねぇ、こんなに感じてるのに、まだもっとくれるの?
「じゃあ、大っきいの、早くちょうだい……」
これ以上は待てなくて、甘えた声でねだった。
「もう、君は……! 二度と僕以外にこのお願いをしてはいけないよ」
「しない、しないから早くっ……!」
筋が張った腕を掴むと、孔からジェイの指が抜けた。生理反応で孔が攣縮する。
次の瞬間、身体に圧がぶつけられ、全身が揺れた。
「あぁ……!」
「ヒュー、愛してるよ」
腹が張るほどの充満感。俺の中にジェイがいる。
「ごめんね、優しくしたいのに……っ」
「いい、大丈夫だから、たくさんして……!」
ジェイは大きな手で俺の腰を支え、足を両肩に乗せさせて下半身をぶつけた。
尻が高く浮いているからジェイが出し入れするのが見えて、切なさと嬉しさと快感が入り混じってわけがわかんなくなる。
「ジェイ、ジェイ、ジェイ……イッちゃうよ……」
もう余裕なんかない。日本語で呟いた。と、同時にジェイの圧が大きくかかる。
「! ジェイ……っ、んんっ……!」
俺が先に達し、白濁が散る。尻をベッドに降ろされ、吸い付くようなキスをジェイがくれた。
そのあとはすぐにうつ伏せにしてくれて、痙攣みたいにひくついている身体が安定した。
ジェイが再び抽挿を繰り返す。
今イったのに、またムズムズしてくる。ジェイの、凄く大きいのに痛くなくて、気持ちいい。身体の隙間をぴったり埋めてくれる感じ。
「ジェイ、すき、好き……」
「愛してるよ、ヒュー」
日本語と英語なんだけど、上手く噛み合ってる。俺とジェイの身体みたいだね。
「ヒュー、僕も……」
ジェイが合図の言葉をくれて、動きが早まった。中で大きくなったものが容赦なく俺の中を蠢く。
「あ、あ……また……!」
「ヒュー……!」
前を触られていないのに、いつの間にか戻っていた昂ぶりが太もものあいだでぶるりと震えた。
俺が二度目の絶頂を迎えたのと、ジェイが俺の中で果てたのは同時だった。
***
朝、目が覚めると、ジェイのベッドの中でジェイの腕に包まれていた。ジェイはもう起きていて、俺の髪をずっと撫でていたらしい。
こんな、いかにも「恋人」ぽい朝は生まれて初めて。
「あれ……? 身体もきれいになってる……」
昨夜べっとべとのぐちょぐちょのまま眠ってしまったと思ったのに、まるでシャワー上がりのようだ。
相手に丁寧にあと片付けをしてもらうのも初めてだ。
身に染み込んだ「仕事」の名残りで、過去の俺はどこか冷めた気持ちで行為に及んでいた気がする。いつも自分が主導権を握り、終われば自分で処理をしていた……そもそも意識がなくなるほどに相手に身を任せるセックスなんて、したことが無かったから……。
「ジェイ、ありがと……でも、普段はポンコツなのにこんなのはできるんだね」
「ヒューが帰ってきた時、愛想をつかされないよう家事の練習をしたからだよ」
「本当に? じゃあ今日は一緒にご飯を作ろう?」
「ああ、そうだね。一緒に作って、食べて、それからキスをして、一緒にシャワーをして、また一緒にベッドに入ろうか」
キス付きの甘いお誘い。くすぐったくて、くすくす笑ってしまう。
すると、ジェイのスマートフォンがぶるぶる振動した。
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