第六章

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 広場はそれほど広くはなかったが、いくつかの屋台が並べられていた。千春と亜里沙は屋台を順番に見て回った。  「金魚すくいしようよ」亜里沙が言った。  「うん、やろう」  二人は料金を払ってポイを受け取ると、その場にしゃがんで金魚すくいを始めた。千春は巾着袋を地面に置き、ジルがその上に座るような形になったので、ジルが水槽の中の金魚を見渡すような格好になった。  「ねえ、ジルには金魚がマグロのように見えるかもしれないね」千春が言った。  「そうだね」  二人は笑いながら金魚すくいを続けた。
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