第七章

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 「あ、そうだ。写真を撮ろう」翔太はそう言って携帯電話を取り出し、ベンチに座っているジルの写真を撮ろうとした。  「翔ちゃん、どうせなら私と一緒の写真を撮ってよ」千春が言った。  「ちょっと待て。先にジルの写真を撮る」翔太は携帯電話のカメラをジルに向けた。ジルは少し驚いた様子だったが、カメラに笑顔を見せた。  翔太はシャッターを押し、ジルの写真を保存した。  「ねえ、翔ちゃん。興味本位でジルの写真を撮ったんじゃないよね」  「どういう意味だよ」  「翔ちゃんって、ほら、宇宙のことに興味があるでしょ。だから……」  「そんなんじゃないよ。じゃあ二人の写真を撮ってやるよ」  「うん……」千春はジルの体を持ち上げて自分の胸元に抱き寄せた。翔太は今度は千春とジルの二人にカメラを向け、シャッターを押した。  「あ、そうか。お前は携帯電話を持ってないんだったな。今の写真プリントアウトしてやるよ」  「あ、ありがとう」  千春は何か引っかかるものを感じていた。翔太はなぜジルの写真を撮ったのか。翔太が写真を悪用するとは思えなかったが、腑に落ちない気がしていた。
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