3人が本棚に入れています
本棚に追加
戒めのシルバーアウェアネスリボン
アウェアネスリボンといえば、乳がんの早期発見等を訴えるピンクや、LGBTQ等への理解・賛同のレインボーなどが有名だが。
私はシルバーを身に着けている。バッグにはキーホルダーを。先日の和楽風天主催の撮影会にはシリコンブレスレットを。
それぞれのカラーが担当する意味は、ひとつだけではない。シルバーにもいろんな意味がある。その中で私は、「脳に起因する病気」という意味を選び取った。
父を脳梗塞で逝かせたことは、私にとっては不覚でしかない。
脳梗塞の癖がある父を近くで見守りたい――それも実家に戻ってきた理由のひとつだったのに。
思い返せば、もっと早くに事態を好転させることは、可能だった。ただ私が、いつの間にか気づけなくなっていた。
外で暮らしていたときは、実家の様子に的確な判断を下すことができたのに。母の対応に「それじゃ手遅れになるよ。すぐ病院に連れていかないと!」と言っていたのに。
両親と一緒に暮らしているうちに、私も母と同じになっていた。距離が縮まることで、かえって鈍くなるものもあるのだと知った。
私がシルバーのアウェアネスリボンを身に着けるのは、だから、「戒め」である。
誰かの異変にすぐ気づけるように。
もう二度と、見逃すことのないように。
最初のコメントを投稿しよう!