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「目覚めたとき、本気でバリと思うかどうか試してみた。
人で実験しては悪いので、妻で」
とバルコニーに用意されたフルーツたっぷりの朝食を前に、桔平は言い出す。
そりゃまあ、人様を巻き込んではいけないのですが。
妻なら、なにをしてもいいのですか。
そう思いながらも、
「よくできてると思いますよ。
かなり雰囲気出てます」
と認めながらも、心底、不思議に思っていたので訊いてみた。
「それにしても、どうやって、私をここまで運んだんですか」
「プロに頼んだんだ」
「プロ?」
「仕事で知り合った人の執事の人に、お前が途中で目覚めないよう、そっと移送してもらった」
何故、執事の人がそんなスパイか間者のような真似を……。
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