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そういえば、桔平がいないだけではない。
まだ横たわったままの視界には、白い布団も畳もなく。
つるつるとした肌触りのよいシーツが手の下にある。
遠くにある壁際のアジアンテイストなローボードの上には、木の器に入った白いプルメリアの花。
薄水色の陶器の象にささっているお香から細く白い煙と良い香りが立ち昇っている。
ここはどこ?
私はだ……
いや、私はわかるな、うん
真珠は身を起こした。
開け放たれていたのは縁側の掃き出し窓ではなかった。
バルコニーに向かって開いている大きな窓。
そこから、たっぷりとした緑の匂いが含まれた風が吹き付けてきていたのだ。
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