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N市立医療センター
3階 産婦人科 病棟 303号室
「ママァ~、来たよ~」
「ひかり!」
今日は、落ち着いているのかな。顔色もいいし。
「おはよう。遅くなってごめんね。」
「ううん。休みの日に、ごめんね。」
「あら、梨田さん、娘さん、来てくれたの。よかったわね~」
「あ、はい。ひかりって言います。」
「おばちゃん、こんちは」
「あら、まぁ、こんにちは。」
「あ、治くん。島田さん。一昨日から一緒なの。島田さん、お話、楽しいのよ。」
「そうでしたか。妻が仲良くしていただいて…」
「いいのよ。私も、娘と話してるみたいで、いいのよ。ずっと、1人でいると考えこんじゃうし」
「ママァ。今日ね、自分でお洋服えらんだよ。かわいい?」
「うん。と~っても、かわいいよ。」
「やったね」
ひかりが、ピースサインでポーズをとった。
「調子どう?」
「うん、一応、今は落ち着いてる。お腹の子の成長も特には。でも、まだ、しばらく安静って。」
「そうか、なら、良かった。」
「ごめんね、任せっぱなしで…」
「そんなの、気にすることじゃないだろ。その役目は、僕じゃできないんだから」
「ありがと」
島田さんとおしゃべりしていたひかりが寄ってきて、ひとみのお腹を撫でた。
「よーし、よーし。いい子。」
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