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「きみ、家は?夜中だぞ、帰らないのか」 「……」 何も言わず、ストローを加えて窓の外を見ている。 「帰らない…」 彼女が、ボソッとつぶやいた。 「え?」 「だから!家には帰らない!」 今度は、ハッキリ聞こえた。 「いやいや!きみ、未成年だろ?」 「……おじさん、いくつ?」 「2…27だけど…」 「ぅわ、10こも上……クスクス(笑)…私、10こくらい上なら大丈夫だよ。で、いくら、くれんの?」 は?この娘、なに言ってるんだ?しかも、おじさん、って!?まだ、20代だ! 「帰りなさい。」 呆れた… 僕も見下されたもんだ。女子高生を喰いもんにする、そのへんのクソ野郎に間違われるとは… 僕は、財布にあるお札を出しテーブルに置いて、彼女を置いて席を立った。 … 彼女は、当てが外れたと思ったのか、黙ったまま、また外を見ていた。 もう、知らん… 女子高生には付き合えん… 店の外に出て、僕は歩き出した。 財布にお札は残っていない。 コンビニに入れば下ろせるが、そんな気分でもなく、僕は家の方へ向かって歩き出した。 まったく、僕は、なにやってんだ… この2時間ほどの出来事… 自分のしたことなのに、理解に苦しむ。
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