Reborn

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ドンドンッ!! ドアを強く叩く音で目が覚めた。 茉子は一瞬、自分がどこに居るか理解できなかった。 「あっ!」 寝ぼけた頭がクリアになる。 「ごめんなさい。寝ちゃってて・・・・」 ドアを開けるとずぶ濡れになった彼が立って茉子を睨んだ。 「雨降ってたの?ほんとごめんなさい」 「とりあえず洗面所からタオル持ってきて」 「は、はいっ」 茉子は慌ただしく洗面所へ走る。 「暗いから危ないよ。走らないで」 彼が大声で言った。 戻った茉子がタオルを彼の頭に乗せて、彼の両手から買い物袋を受け取った。 「なんか、いっぱい買った?」 「うん。適当に。雨が長引くと出れないから2、3日分」 「そんなに!?」 「ああ。雨酷くてね」 彼はまだ機嫌が悪そうにボソボソと話す。 茉子はつい笑ってしまう。 「もう。ごめんって」 そう言って彼の頭をタオルでクシャクシャッと拭いてあげた。 「いいよ、自分で拭くよ」 と彼は思春期の中学生みたいに拗ねた顔で言った。
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