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「無意識・・・」
「そう。普段生きてて、自分は息をしてるな、今ご飯食べてるな、今排泄してるんだな、って思う?」
彼はハハ、と軽く笑い
「まさか。いちいちそんな事考えないよ」
と言った。
「でしょう?それが無意識。生きてるって事なのよ」
と茉子は言った。
彼の背中は微動だにしないまま
「じゃあ、死ぬって事は?」
と聞いた。
「死ぬって事は・・・・」
茉子はしばらく黙っていると、彼の背中が先に言った。
「意識的に生きてるって事か」
彼の言う通りだった。
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