Reborn

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嵐の海のような音の中で、いつの間にか2人は眠ってしまっていた。 茉子は久しぶりに熟睡した。 突然の痛みで夜中に飛び起きる事もなかった。 隣に自分以外の人がいる安心感がそうさせたのだろうか。 ぐっすり眠った茉子は柔らかな陽射しの中、自然と目覚めた。 隣の天使のような寝顔からそっと離れて、茉子はゆっくり窓を開けてみた。 ふわぁ、と朝の爽やかな風が雨の匂いが混じったまま、茉子の髪の毛先を揺らした。 生きてる・・・わたし。 毎朝、自分が生きてる事を確かめるように空を見上げて太陽の光を感じるのが習慣になってしまった。 「おはよう。まだ、生きてる?」 背後から声がして、茉子は振り向かずに言った。 「まだ、生きてた」
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