Reborn

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名前をつけてくれと言われて、はいそうですか、という訳にはいかない。 「犬じゃないんだから」 と、茉子は笑った。 「いいじゃん。ポチで」 と、彼は笑う。 「ポチって」 と、茉子もつられて笑った。 「飼ってた犬とかいないの?」 「犬?いたけど」 「なんて名前?」 「ロッキー」 アハハ、と彼は肩を大きく揺らして 「ロッキーか。いいね。僕の事ロッキーって呼んでよ」 と半分笑いながら言った。 「笑ってんじゃん」 と茉子もまたつられて笑った。 「君は?何か飼ってた?」 逆に聞いてみる。 「猫飼ってた」 「なんて名前?」 「ロジャー」 「ロジャー!?」 茉子は彼の背中におでこを引っ付けて笑いを堪える。 「なに笑ってんの?」 「笑ってないよ」 「笑ってんでしょ?ロジャー」 「ロジャーって言わないでっ」 茉子は我慢できずに笑った。 2人はアハハ、と空を見上げて声を出して笑う。 「オバサンは今日からロジャーね」 言った傍から堪えきれずに2人はまた笑った。
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