Reborn

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外観も素晴らしかったが、内観にはもっと圧倒されてしまった。 新しい匂いがする。 森みたいな大自然の匂い。 「いい匂いだろ?新しく出来たばかりなんだ、この旅館」 彼はまた茉子の心を読んだ。 「いらっしゃいませ。お待ち致しておりました。梶様で2名様ですね」 「はい」 「こちらにサインをお願い致します」 茉子は初めて知った。 ロッキーの名字が梶という事に。 名字は分かったが、下の名前が知りたくて、背後からめいいっぱいカウンターを覗いていたが、手元が見えなくて断念した。 「最上階だって」 キーをブラブラさせながら、彼はエレベーターのボタンを押した。 「最上階!?」 音もなく、グングンエレベーターは上へ上へとのぼっていく。
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