Reborn

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夢を見ているみたいだった。 ただ、ふわふわと。 見たい夢を見ているみたいな時間。 かつて無かった幸せな時間を、今私は過ごしている。 だからバチが当たったんだ。 茉子はそう思った。 痛みで頭がおかしくなりそうだった。 白く、清潔な、フカフカの布団の中でのたうち回った。 薬・・・薬、のまなくちゃ・・・。 手を伸ばすが、届かない。 月明かりに照らされているバッグが朧気に見えるだけだった。 全身が、雷にうたれたみたいに痛みが走った。 「んっ・・・」 爪が、畳を搔きむしる。 ガリッ、ガリッ、という奇妙な音で彼が起きた。 「ロジャー!?どうした!?」
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